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BitGoのエンジニアがEthereumウォレットのサイドプロジェクトを立ち上げる

2016年4月8日 / jcaadmin / 暗号通貨を学ぶ

イーサリアムのブロックチェインプラットフォームへ関心が高まる中、ビットコインにまつわるセキュリティの専門家集団であるBitGoが、多重署名式のウォレットを開発した。

イーサリアムプラットフォームにおける初の製品であるHomesteadのリリースが、先週発表されたばかりだ。このタイミングで、イーサリアムの開発者たちもまた、Mistをリリースした。これはユーザーフレンドリーなウォレットで、ユーザーがスマートコントラクトを扱ったり、Ethersを保存できるようにするウォレットだ。

しかし、こうした進展をしていながら、イーサリアムのウォレット開発は後手にまわっている。こうCoinDeskに語ってくれたのは、Vitalik Buterinだ。彼はより広範なオープンソースとしてのブロックチェインコミュニティによって、もっと進展すればいいのに、と期待している。

こうした現実がすでに目につくようになってきている。

BitGoのソフトウェアエンジニアたち(Ben Chan, Mason Borada, Barath Chandrashekar)は、Ether.liをリリースした。Ether.liは多重署名式の、二重承認を要するウォレットだ。これにより、イーサリアムネットワーク上で生まれたトークン「Ethers」を保管したり、転送することができる。

Chanが説明してくれた。
「ここ最近、たくさんの関心が寄せられていた。僕自身、Etherが登場したころからずっとこれに入れ込んできてる。ずっとEtherを保管できるウォレットを探し続けてきたけれど、結局2種類しかなかったんだ」

BordaとChanはインタビューの中で、これまではウォレットを運用していく上で技術的なトレードオフがあった、と語ってくれた。

Bordaはこうコメントしている。
「今現在、デスクトップで扱えるウォレットは素晴らしいように見えるけれど、実は扱いに難がある。技術的に限界があるんだ。その限界というのは、バックグラウンドでノードを働かせ続けないといけない、ということだ。もしどんなデバイスからも、そしてどこのコンピュータからもウォレットにアクセスしたいなら、一重署名のウォレットを使うしかなかったんだ」

Bordaはこう続けた。ユーザーは、アクセスしやすい便利なウォレットを使いたいのであれば、技術の面で大きな妥協をしなければならなかったそうだ。

BordaとChamがBitGoで働いているとき、BitGoの名前で公式にEther.liをリリースできない、と考えていた。しかし、Bordaは、これを立ち上げたら、BitGoにとって大きな恩恵になる、と語った。

Bordaは振り返る
「社長のMike(Beishe)が、これをローンチするように、と僕たちを促したんだ」

多重署名とEther.li

Ether.liでは、ウォレットを作るのに1分もかからない。これまでビットコインのウォレットを使い慣れている人からすると、ずいぶん早く感じられるかもしれない。ブロックにかかる時間を短くできれば、ブロックチェインに刻まれたすべての履歴との同期にかかる時間も短くできる。だから、ウォレットを作るのにも、そこまで時間がかからない。

「登録をして、ウォレットを作る。すると、多重署名の契約(a multisig contract)がイーサリアムのブロックチェーン上に作成される。これが2-of-3 multisig contractさ。この手のモデルは、ビットコインだと標準的だよね」とChanは語る。

一重署名のウォレットと異なり、多重署名の(2FA)ウォレットは、取引を承認するために、もうひとつ署名を必要とする。2-of-3 multisig contractでは、最初の署名はウォレットを持つユーザーが、ふたつめはBigGoから送信されるSMSテキストがそれに当たるそうだ。

「もし自分自身のウォレットから引き出したり、送信したりしたい場合、この契約に関係する人の署名のひとつは自分自身。もうひとつの署名はウェブクライアント、もうひとつがBitGoなんだ。」とBordaは説明してくれた。「BitGoがすることは、たったひとつ。その取引を承認したユーザーから送られたSMSに署名することだけさ」

たとえば、あるユーザーがEtherを他の誰かに送りたいとしよう。彼らはEther.liでの取引を開始する。彼らはコードを入力するよう求めるテキストメッセージを待つ。これが2つめの署名になる。送信側のユーザーがコードを入力すると、そのEtherが送信先に届く。

もし個人鍵をなくしてしまったとしても「多重署名だと、そういう問題は問題じゃなくなるんだ」

ふたりの開発者は、このウォレットがまだアーリーステージのものである、と警告している。Ether.li開発チームは、Q&Aにこう書いている。

「これを世に送り出す、という私たちの決断は、需要と、個人的により大きな安全性を求める思いからしたものだ。しかし、このウォレットが安全面で不十分であることを承知しておいてほしい」

BitGoとEthereum

Ether.liがリリースされようとしている。BitGoの開発チームは、比較的短い時間枠でそのマーケットへ何かを投入したい、という思いでそれを成し遂げようとしたそうだ。

それにもかかわらず、BordaはBitGoが狙っているのは、その技術をイーサリアムのために使うことだという。そして、それを通じて市場が広がるようにしていきたいそうだ。

「我々は、自分たちをセキュリティ会社だと考えている」とBelsheはCoinDeskに語った。「我々の仕事は、貨幣としてのビットコインが安全なものであり続けるようにすることだ。それは、あなたがオンライン上で、あらゆる仮想通貨を守ろうとしていることと同じことだ。これと同様の価値を、イーサリアムの空間でも提供していけると私たちは信じている。」

このインタビューをした段階では、公式な表明はなされなかった。しかし、BitGoがイーサリアムのウォレットを公開するのは「もうすぐだ」と確かにBelsheは言っていた。

Belsheはこう締めくくった。
「私たちにはまだ、何かを告知する確固たる計画はない。けれど、イーサリアムの空間においては、あるかもね」


この記事は http://www.coindesk.com/bitgo-engineers-ethereum-wallet-ether-li/を翻訳したものです。

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